高崎山の冬は、サルの恋の駆け引きがおもしろい。
オスたちが気に入ったメスザルにモーションを仕掛けます。
オスザルたちは、絶えず周りを見渡して好みのメスザルを探します。
気に入ったメスザルを見つけた瞬間のオスザルは、目にちからが入るのでみていても分かります。
「あ。今、好みのタイプが見つかったな。」
オスたちは、メスザルの近くに忍び寄りモーションをかけようとしますが、たいていのメスザルは、オスザルと目が合っただけで察して逃げていきます。
そんなオスザル達のなかでも「モテない」と定評のある、B群第2位「オオムギ」が只今、猛烈にアタックしているメスザルが「ヤケイ」です。
昨年の5月までB群第1位だった「ヤケイ」は、近年、比較的順位の低いオスザルに恋をすることが多くありましたが、今現在どうやらオオムギとうまくいっています。
恋がうまくいっているのは、オオムギの「努力」の賜物です。
ヤケイがどこに行っても、そっと後ろをついて行く。
ヤケイが振り向くと、いつもいる。
ヤケイがエサを食べる時も、影のように近くでエサを拾っています。
エサの時間の後、たいがいのサルは水を飲みます。
オオムギは、先にヤケイに水場を譲ります。
オオムギの恋がどうなるのか、見ているこちらもハラハラしています。