今日は良い兆候が見られました。
何がというと、C群の動向です。
朝は私たち職員からまったく誘導されることなくB群がいるサル寄せ場へ出現してきました。
そして、いつもは11時のサツマイモを最後にサル寄せ場から離れ、サル寄せ場付近の林の中でエサをもらっていたのですが、今日はサツマイモを与えた後も一部はサル寄せ場に残り、ついには12時30分の餌付けでサル寄せ場に完全に戻ってきました。
これは、B群がサル寄せ場に居ようともB群を恐怖せずに、C群はサル寄せ場に入る事ができるようになったという大きな進歩です。
そして、何よりサル寄せ場でエサを食べる事ができる、サル寄せ場が必要だという意識がC群のサルたちに少しずつ芽生えているということだと思います。
特に一度山へ引き上げたメスザルがサル寄せ場に戻ってくるのはとても良い兆候です。
オスザルがどんなに強くてもそれに続くメスたちがいなければ、群れは動きません。
そう、高崎山のサルの世界はオスザルの強さよりもメスザルの「したたかさ」が必要なのです。
C群が以前勢力を強くした時も「ベンツ」という強力な個性を持ったオスが目立ちましたが、実はC群の力の原動力はその当時もメスだったと思います。
メスが群れの衝突の原因をつくり、オスがメスを助けるためにケンカで頑張る、そしてメスもオスについて出て争う、さらにそこでメスがエサを食べる、また群れの衝突の原因をつくるというサイクルでC群は強くなっていきました。
そう、メスザルたちがしたたかにエサを取るほど群れは強くなっていくようでした。
何度も書きますが、高崎山のサルの社会はオスの力強さよりメスのしたたかさが必要なのです。
(写真は午後も山から戻りサル寄せ場を占拠するC群)