2018年が終わります。
思えば色々なことがありました。
B群C群の2群しかないとはいえ約1200頭のニホンザルがいるのだから、毎日事件出来事があって当然ですね。
私が思う大きな出来事。
その1
5月9日の「ゾロメの逝去」
かつて「ベンツ」と共にC群の要となっていた「ゾロメ」。
年老いてB群へと移籍。
「ゾロメ」が「ベンツ」の後をついでC群の№1になった時、№2「ハトムギ」№3「オオムギ」は自分の年齢の半分の若さ。「ゾロメ」が人間でいえば90才くらいで「ハトムギ」「オオムギ」は40代くらいでした。
「ゾロメ」は若いオスたちを抑えるのが面倒になってB群に移籍したような気もします。
「ゾロメ」は群れを変わり、何の重圧もない下っ端の立場になり、若い娘ザルにモテて気楽に過ごせたようでした。
最後の日は沢山のコザルたちに毛づくろいされて、徐々に体を横たえていきました。
まだ、C群の№1時代の「ゾロメ」が丸くなって寝ているところに「オオムギ」が来て寄り添っていた写真。
普段は「ゾロメ」が小麦を食べている付近をうろうろして「早くどいてくれよ」と圧力をかけていた「オオムギ」
ただ食い意地がはっていただけで、食べる時以外は「ゾロメ」をとても頼りにしていたようでした。
オスがこんなに寄り添うのは珍しいことです。
懐かしい写真です。
結局「ゾロメ」がB群に移籍をしたら「オオムギ」も後を追うようにB群に移籍しました。
C群のサルにとっても大きな存在だったのでしょう。
その2
「サヤカ」さんが25才の誕生日を迎えたこと。
高崎山のサルは25才を超えるサルは意外に少ないです。
寿命を質問されたら25才くらいですと答えます。
生まれつき手の不自由な「サヤカ」さん。
最近は右足の具合が悪く、かばうようにして一歩一歩ゆっくり歩きます。
いつもお母さんの「サヤカ」に甘えてくっついて回っていた息子の「ノンキ」君が、昨年群れを出て行ってから独りぼっちになってしまいました。
見た目もすっかりお婆ちゃんになってしまった「サヤカ」ですが、自分でエサをとり、ちゃんと群れについてまわって「しっかり生きて」います。
凄いことだと思います。
「サヤカ」が座っていたらコザルが寄ってきました。
その3
10月の終わり頃、B群に両足ともだらりと萎えてしまった赤ちゃんザルがいました。
手で母ザルにしがみつき、両足は引きずって段々足にすり傷が出来ていきました。
…この赤ちゃんはダメになるだろう…と誰もが思っていましたが、赤ちゃんは足が使えなくても手だけで走り回り、お友達の中に入って当たり前のように遊んでいました。
この子はなんて力強いんだろうと感心していました。
他のコザルとロープ遊びをしていても足にはまったく力が入らず、だらりと下がった足を他のコザルたちが珍しがって触るほどでした。
でも、今は歩けるようになりました。
まだ少し不自由さはあるようです。
でも、このコザルのめげない強さが奇跡の復活につながったように思います。
写真の真ん中が復活のコザル。
あなたの「生きる力」尊敬します。(右のコザル)
今夜は寒いけど風はなさそうです。
高崎山のおサルたちは静かな年を迎えられそうです。